エステサロンは、他の業種の独立開業よりも「国家資格が必須ではない」「低コストでも開業可能」「男性の美意識の増加」といった様々な理由で開業が容易になっています。
しかし継続して営業する事は容易ではありません。エステティック業界は長年慢性的な人材難に陥っており、店舗統合により店舗数も減少の一途を辿っていました。
新型コロナウイルスの影響でお客様が自粛疲れを感じ、癒しを求めて利用するケースも増える中でも9割のエステサロンが3年以内に廃業してしまうというデータもあります
このような状況下で、安定したエステサロンを経営していくためには、効果的な集客で新規客の獲得率を向上させるとともに、既存患者のリピート率を伸ばしていく他ありません。とはいっても
・そもそもエステサロンが集客する必要性は?
・集客で失敗しないためにはどうすればいいの?
・効果的な集客ってどうすればいいの?
といったような不安や悩みを抱える方が多いでしょう。
効果的な集客を行うためには、自店舗の強みを自覚した上で集客ターゲットを決定することから始めましょう。そうすることで自ずと、各エステサロンに適した集客の形が見えてくるはずです。
本記事ではエステサロンにおすすめの12の集客方法について、それぞれの費用や特徴について詳しく解説するとともに、ひと目で比較できる表も掲載しています。
また、エステサロンが集客する必要性や注意点、選ばれやすくする為のポイントも詳細に解説しているので、是非参考にしてください。
目次
エステサロンの集客がうまくいかない3つの理由
エステサロンの集客がうまくいかない原因の一つとして技術・サービスの低さが挙げられます。低さが浮彫りになってしまうと、いくら集客が成功しても口コミなどの評価に影響し、継続した集客が見込めない恐れがあります。
とはいえ、技術やサービスを向上させるにはコストと時間が多く必要になります。閉店を迎えてしまいそうなエステサロン店舗の多くは「技術・サービス向上」よりも「短期間での集客向上」を目指すはずです。
以下では集客できない理由を3つに絞って解説していきたいと思います。
1.エステサロンの対応に問題がある
従業員がお客さんに症状や治療法を説明する際、専門用語や難しい単語を使ってしまうと、何を説明しているのかお客様にとって分かりにくいです。また礼儀正しい言葉づかいをしなければお客さんに不快な印象を与えてしまうかもしれません。
人体の模型等を使ってお客さんがイメージしやすいような工夫をするのもひとつの手です。そうすることでお客さんは安心して施術を受けられます。
また、症状の治療に対して医療行為が必要な場合は、自店舗で対応できないことをきちんと明確に示すなど、お客さんに対して誠実な姿勢を見せることが大切です。
2.リピーターを疎かにしている
エステサロンを創業して間もない人は勿論、集客に悩んでいる経営者は、新規客を獲得する事に多大な労力を費やす一方で、「リピート顧客を大事にすること」を軽視しがちです。
実際マーケティング用語にパレートの法則があるように、「全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割のリピート顧客を差別化することで8割の売上を維持できる」といった高い費用対効果を期待する戦略が、多くの集客が成功している店舗で取り入れられています。
新規客にばかり手厚い対応をしてしまうと、リピーターの中で「自分はいつも利用しているのに何故対応が同じなんだ」といった不満を感じる人も出てくるかもしれません。
従業員が各々のリピーターの顔と名前を覚え、気の利いたコミュニケーションをとることができる様に心掛けましょう。
3. 競合との差別化が出来ていない
開店して間もないエステサロンが廃業に追い込まれる理由の代表例として、他サロンと差別化ができないことが挙げられます。
現状として市場は減少傾向にあり、男性限定のサロンや、自宅サロンという形で開業する等の工夫が無い限り、集客向上は見込めないでしょう。
ただ差別化をすれば良いというわけではありません。例えば、自店舗の強みをサービスの安さに設定したとします。すると、競合店舗が価格競争をし始め、「安い」が店舗の強みで無くなってしまいます。
新規客だけでなくリピート顧客が、自店舗のどこに惹かれて入ったのかヒアリングを行うことで独自性を編み出すことができるかもしれません。
エステサロンが集客する際に気をつけるべき3つのポイント
エステサロンの集客方法は様々ですが、いずれも正しくお客様に自社をアピールする必要性があるでしょう。以下ではアピールする際に気をつけなければいけないポイントを紹介します。
1. ターゲットを明確にする
エステサロン業界に限らず、集客では「誰に」「何を」アピールすべきか、そのターゲティングが非常に重要です。このピントが外れていると、いくら熱心にお金や労力を投じても、そのコストの多くが無駄になってしまいます。
全国約100ものエステサロンを経営しているジェイエステティックが統計したデータによると、年代別で利用経験者が一番多いのは30代、継続して通い続けている年代は20代が最多です。
継続して通う方は他に10~30代が多く全体としてわずか集計数に対し15%しか利用されてない為、リピート顧客を獲得するのは難しいことが言えるでしょう。
参照元:ジェイエステ
もちろん、自店舗に足を運んでいただいたお客様に応じて、強みを再確認し、ターゲティングしていくことも重要です。集客をする際、どの場面でどの層により重点を置いて訴求すべきか見極めることが必要となっていくでしょう。
2. 自店舗の強みを明らかにする
集客を向上させる為には、他の競合店舗と比べた際に、自店舗の強みを出すことができているかがとても重要です。
たとえば「ボディエステでこだわりの器具を使用する」や「顧客の悩みに対し、自身の経験を活かしたカウンセリングに取り組む」等です。自身がアレルギーやアトピーで悩んだ経験があるとします。
お客様も同様の経験があれば、メニューを決める際に特定の機器を利用したり、ゴム手袋を使ったマッサージをしないなど配慮をして、施術に繋げることができるでしょう。
ホームページを作成する場合は、従業員紹介欄に自身もアレルギーやアトピーで悩んだ経験があると記載することで、特定のお客様からの興味を引き立たせられます。
3. 集客にかける金額の予算を決めておく
自店舗の経営状態にもよりますが、ターゲットや強みを明確にすることができれば、自ずと集客費用の概算も掴めるでしょう。
たとえばあなたが、20代女性の新規客を増やしたい脱毛サロンの経営者だとします。新規客を増やす為に、紹介制度を導入することで、常連客が友人を連れてきました。そこで問題となるのが、友人が受けるサービスに費用をどのくらいかけられるのかです。
初回無料の対応をしたり、特定のサービスを半額で行ったり、割安な料金設定をすることで初めて来店された友人をリピート顧客にできるかもしれません。
料金設定を臨機応変に変えることで、今どのくらい予算を使ったのか確認できるように心掛けましょう。
エステサロンにおすすめの集客方法9選
エステサロンはオンライン・オフライン問わず、さまざまな方法で集客に取り組むことが可能です。以下では、エステサロンにおすすめの集客方法をご紹介します。
1.ホームページ
自店舗のホームページは、まさにオンライン集客の本拠点となるものです。ホームページの作成にあたっては、自店舗の住所や電話番号などの基本情報はもちろん、メニューや料金、期待できる効果、過去の実績など、できるだけコンテンツを充実させましょう。
スタッフ紹介やお客様の声などの情報ページを盛り込むのもおすすめです。また、自店舗のイメージを可視化できるように、コンセプトに合った美しい写真なども積極的に使用しましょう。
もし、自店舗だけでクオリティの高いホームページを作るのが難しい場合は、ホームページ制作の代行会社に依頼するのがおすすめです。
ホームページ制作会社に依頼すれば、プロのWebデザイナーがおしゃれで使いやすいホームページを構成してくれるので、自社の魅力を最大限にアピールできます。
2.ブログ
エステサロンと聞いた時、切っても切り離せない関係がブログの存在です。事実、エステサロンを経営しているほとんどの方が無料のブログサービスを開設し利用しています。
理由として、ホームページを思い通りに作成するには専門的な知識と経験が必要だからです。通常はホームページ制作会社に依頼する為多大なコストが掛かります。
更新もその都度制作会社に連絡をするので、時間も併せて掛かるでしょう。ブログはホームページと比べて、
・デザインの自由度が低い
・更新がしやすい
・時系列順に流れていく
といった特徴があります。お客様に親近感や好印象を抱かせるように最新の店舗情報や、お役立ち情報などを継続して記事を作成できれば、近寄りやすいエステサロンを印象付けられるでしょう。
3.ポータルサイト
エステサロン関連のポータルサイトへ、広告を出稿する手法です。現在では、エステサロン関連のポータルサイトがいくつもあり、広告配信できるサイトも少なくありません。
ポータルサイト広告のメリットは、モチベーションが高いユーザーの集客を見込めることです。エステサロン関連のポータルサイトへアクセスするのは、エステサロンに興味をもっている方がほとんどだからです。
ただ、このようなポータルサイトには、他社の広告も出稿されています。他社と比較されたうえで、見込み客を奪われる、といったことは十分考えられますし、出稿費等、よりコストがかかる恐れもあるでしょう。
4.SNS
TwitterやLINEなど、SNSの活用も集客の大きな助けになります。SNSによる集客はホームページ運営と比較して、あらゆる面で低コストなのが魅力です。
SNSでは即時性のある発信が可能なため、たとえば時間ごとのサービスやキャンペーンを展開する際も、すぐにお客様に周知できます。
基本的にSNSで発信できる情報量は限られていますが、自店舗のホームページやポータルサイトのURLなどを記載することで、ホームページへのユーザー流入の増加も期待できるでしょう。
ただしSNSは、お客様からネガティブな情報が発信されることもあるなど、情報のコントロールのしやすさに難があります。
簡単に情報発信できるとはいえ、不適切な投稿をすれば容易く「炎上」してしまうこともあるため、運用に注意が必要でしょう。
5.Googleマイビジネス
Googleマイビジネスとは、Googleのサービスにビジネスやお店などの情報を表示し、管理するための無料のツールです。
交流方法は電話・メッセンジャー・口コミと幅広く、お客様に自店舗の場所を知らせるのに最適でしょう。
ただ、登録しただけで必ず集客力がアップするかというとそういうわけではありません。お客様が検索したときになるべく上位に表示させるには以下のポイントを押さえることが大切です。
・住所や電話番号などの詳細なデータを入力する
・場所の確認手続きを行う
・営業時間の情報を正確に保つ
・口コミの管理や返信を行う
・写真を追加する
6.Web広告
近年Web広告の種類は増加の一途を辿っており、求めるターゲット層によって使う手段が明確化されるでしょう。今回は、エステサロンで出せる代表的なWeb広告の種類を3つ、紹介します。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンを使用して検索した際に、検索キーワードに応じて表示されるWEB広告です。
選定したキーワードや投入する費用によって、効率よくページ上部の広告枠へ配信できる特徴があります。多くの人の目に触れるため、短期間での劇的なアクセスアップも期待できるでしょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告は、自店舗のホームページを過去に閲覧した人達向けに新たな広告を配信する戦略の一つです。
また、ユーザーが見たコンテンツに沿った内容の広告を表示する機能なので、新規客やリピート顧客を増加させる優良な手段とも言えるでしょう。
リターゲティング広告のメリットや種類について知りたい方はこちらの記事を参考にしていただくと、イメージが湧きやすいかもしれません。併せてご覧下さい。
リマーケティング効果とは?効果的な導入方法や注意点を解説
SNS広告
SNS広告はその名の通り、SNSを利用している方に向けて広告で宣伝する方法です。上記で紹介した戦略より、細かくターゲティングできることがメリットです。
ターゲットの設定次第で配信を変えることができるので、失敗しないためにもまず、各SNSの利用ユーザー層の特徴を正しく捉える必要があるでしょう。
7.チラシ・ポスティング
インターネットを活用したマーケティングが注目されがちな現在ですが、ポスティングやチラシなどによるアナログな広告にも無視できない効果があります。
インターネットを利用した集客と比較して、ポスティングやチラシは地域を限定した集中的な宣伝を行えることがメリットです。
もちろん、チラシの印刷やポスティングに際してもコストがかかりますので、どの地域・範囲にポスティングを行えば高い効果が見込めるのか、継続的に費用対効果を分析しながら実施しましょう。
8.看板
限られた層にしかリーチできないオンライン広告とは異なり、1枚の看板は店先を通る何百人もの人々に何度でも宣伝できます。よい看板ほどお店の第一印象を強くし、お客様を中に招き入れる効果が高いでしょう。
ただし外観と同様に、自店舗の第一印象を決めるものなので、コンセプトにあったデザインを心掛けましょう。コンセプトにあったデザインで無ければ、来店されたお客様に「イメージが違った」と思われ兼ねません。
メインの看板とは別に、店先に立て看板を設置するのもおすすめです。立て看板の内容は簡単に変更できるので、期間限定メニューやサービスなどを適宜お客様にアピールし、更新していくことが大切です。
9.紹介カード
紹介カードほその名の通り紹介客を増やす目的で取り入れる方法です。
一度来店されたお客様が安心して他の人を紹介できるように、誠実な対応を心掛けるのはもちろんですが、紹介文にも工夫をする必要があるでしょう。
たとえば、紹介文に「紹介されたお客様、紹介者共に30%引き」と書いたとします。
値引きに魅力を感じ来店されるのは良いことですが、果たしてリピート顧客の獲得に繋がるでしょうか?後に説明しますが、お客様がリピーターになる要因として他の店舗にはない強み・サービスから信頼性を感じることが大きいのです。
お客様への信頼性を高めることで、お客様が紹介カードを用いてより多くの方を紹介したり、個人のSNSを通じて宣伝する効果が期待できます。コスト面でも安く済ませられるでしょう。
引用元: 紹介カードほその名の通り紹介客を増やす目的で取り入れる方法です。
一度来店されたお客様が安心して他の人を紹介できるように、誠実な対応を心掛けるのはもちろんですが、紹介文にも工夫をする必要があるでしょう。
たとえば、紹介文に「紹介されたお客様、紹介者共に30%引き」と書いたとします。
値引きに魅力を感じ来店されるのは良いことですが、果たしてリピート顧客の獲得に繋がるでしょうか?後に説明しますが、お客様がリピーターになる要因として他の店舗にはない強み・サービスから信頼性を感じることが大きいのです。
お客様への信頼性を高めることで、お客様が紹介カードを用いてより多くの方を紹介したり、個人のSNSを通じて宣伝する効果が期待できます。コスト面でも安く済ませられるでしょう。
引用元:【サロン必見】紹介カードの効果を引き出す3つの工夫!今すぐ出来る例文つき
リピーターに向けた集客方法3選
ここからは、エステサロンを利用するお客様の中でも、リピーターに特化した集客方法を3つ代表して紹介します。
1. お礼状
普段から自店舗のエステサロンに通われているお客様にとって、従業員から個別に感謝を伝えられることは嬉しいものです。
お客様の多くはエステサロンに癒しを求めに足を運びます。その為、他業種の店舗よりも目に見える形でお礼を示すことが重要なのです。
しかし、送り方には気を付ける必要性があるでしょう。
たとえば、お礼状に同じテンプレートを使用したり、アクセス情報など調べれば分かる情報が記載されていたらどうでしょうか?
そもそもお礼状を送る目的が「個別に感謝の気持ちを伝えること」なのに、不要な情報や同様の文章を送ってしまえば、独自性が無くなり、お客様の中にはあまり喜ばない方も出てきてしまうでしょう。
少し手間がかかることではありますが、手書きで書いたり、各々のお客様に違った内容のお礼状を渡すことがリピーターの獲得に繋がるのではないでしょうか。
2. お祝い状
お祝い状も日頃からの感謝をお客様に伝えるのと同時に、限定クーポンやサービスなどの提示をすることでお客様に特別感を与えさせることが出来るでしょう。
代表的なものとして、誕生日祝いがあります。
誕生日を迎えた方にお祝い状を送ることで、普段公開しているキャンペーンなどの情報をよりしっかりと見て貰える効果があるかもしれません。来店意欲の向上にも繋がる上に、信頼性の獲得にも影響するでしょう。
3. DM(ダイレクトメール)
お礼状・お祝い状を送る際、効率的な手段としてDMが挙げられます。来店時に毎回キャンペーンの告知カードやお礼状・お祝い状を送るとお客様の中で迷惑に感じる方もいらっしゃるでしょう。
その為、メールと手渡しのバランスを考えることが重要です。また、DMを送る際どのジャンルのエステが繁忙期なのか見極める必要があるでしょう。具体的には、
・脱毛サロンは5~8月
・瘦身エステは1,5~8月
・フェイシャルエステは3~4月
のように繁忙期を理解すれば自ずと、DMを送る量やタイミングを掴むことが可能です。
引用元:エステサロンの代表的な集客方法7選【おすすめのリピーター対策も紹介】(https://www.webdeki.com/column/1384/)
選ばれやすいエステサロンのポイント
ここまで様々な集客方法を紹介してきましたが、集客に最も効果的なのは口コミや紹介です。既存客の生の声を広めていく工夫を忘れないようにしましょう。
お客様の直筆レビューをホームページに掲載したり、SNSで口コミを拡散してもらうといった地道な努力が成果に繋がっていきます。
また、新規客を取り込みたいあまり、既存客をないがしろにするのは絶対に避けましょう。今来店してくれているお客様を大切にしつつ、新たな人を呼び込んでいくのがベストでしょう。
さらに、自店舗のキャパシティを考慮することも大切です。新規客に対応するだけの時間的・人員的な余裕がないときは、広告や宣伝を止めるようにしましょう。
最初に述べた通り、集客をする際に大切なのはターゲットの設定とニーズの分析です。そして、そのニーズに自店舗が強みとして応えられるということを広告や宣伝に打ち出し、他のエステサロンとの差別化を図りましょう。
新規客を呼び込んでも技術やサービスが不足していてはリピーターは見込めません。お客さんの悩みに寄り添い、丁寧な説明を心がけるとともに、確かな施術を行うことが肝要です。
まとめ
オンライン・オフラインにかかわらず、まず自店舗がどのような顧客層にアプローチすべきか、正確なターゲティングをすることが集客には欠かせません。
そして、お客様に自社をアピールする際も、お客様が欲している情報とは何かを常に考え、独りよがりな情報提供にならないよう努めることが大切です。
現在のエステサロン業界は慢性的な人材不足であるのにも関わらず、お客様からの需要は上昇しています。より多くのお客様に来店される為には、現状を把握したうえで適切な集客の施策に取り組むことが大切です。