2022.05.18

葬儀社におすすめの集客方法7選|選ばれる葬儀屋のコツも紹介!

近年、少子高齢化が進んでおり「高齢化にともなって葬儀ニーズが増えれば葬儀社の収益も増加する」と思われるかもしれません。

しかし、実際には低価格化によって業界の市場規模はここ数年に渡り横ばいで推移しています。なお、国内の年間死亡者数は2040年にピークを迎えることが予想されており、各社は今後、価格競争だけに頼らない新たな収益源を確保する必要に迫られています。
(参照元:矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2221
(参照元:厚生労働白書 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/07/dl/0102-b.pdf

このような現状を踏まえて集客を行う必要性を感じている方も多いことでしょう。とはいえ、「何から始めたらいいのかわからない」といったお悩みを抱えていませんか?本記事では集客に必要となる以下の情報を中心に詳しく解説しています。

  • 顧客に選ばれやすい葬儀社になるためのコツ
  • 葬儀社にぴったりな集客方法
  • 集客時に注意すべきポイント

より、継続的にお客様を獲得するためにも是非本記事を参考にしてください。

【前提】葬儀社の市場背景と現状

葬儀業界の現状を把握しておくことで、これから集客する際に参考になるかと思います。そのため、今回は葬儀社の市場背景を以下で確認していきましょう。

小規模化

地域によって差はあるものの、近年は葬儀の小規模化が進んできます。昔のように大勢の参列者を呼んで豪勢な葬儀を行うよりも、家族や親族、近しい友人など少人数での家族葬を選ぶ人が増えているのが実情です。

その背景としては、高齢化で介護費用の負担が増加し、葬儀にあまり費用をかけられないことや、核家族化などを理由に遺族が故人の交友関係を把握できないことなどが挙げられます。

また最近では、新型コロナウイルスの影響で参列者や会食の機会を減らす動きが広がっていることも葬儀の小規模化に拍車をかけています。したがって通夜を行わず、少人数の告別式のみを執り行う「一日葬」のニーズが高まっているのです。

こうした葬儀規模や飲食機会の減少は葬儀社の経営にとって大きな打撃となり、現在では収益の確保に苦労している葬儀社が大半です。このような状況に対し、会食の代わりに弁当やカタログギフトを配布するといった新しい形のサービスを提供している葬儀社も見られるようになっています。

価格競争

葬儀市場は、法的規制がなく初期投資が必要ないことから参入障壁が低く、新規参入者が増加しています。最近では流通大手のイオンが子会社を通じて「イオンのお葬式」という葬儀サービスを展開しているほか、鉄道会社やJAといった異業種も参入に積極的です。

そこに葬儀の簡素化という近年のトレンドが重なった結果、費用の低価格化が進み、価格競争が激化しているという背景があります。

ニーズの多様化

以前は葬儀といえば通夜から葬式、告別式までを行う一般葬が通例でした。しかし、近年では現代人の価値観が変化したことで、葬儀にお金をかけるよりも生前に好きなことをするための費用に回したいと考える人が多くなりました。

また、宗教的な形式やしきたりよりも「自分らしさ」を重視し、葬儀の方針を生前に取り決めておく人も少なくありません。

こうした理由により、葬儀ニーズは多様化し、家族やごく親しい人のみで故人を見送る家族葬や、葬儀を一日で済ませる一日葬、通夜や告別式を行わず火葬のみで済ませる直葬など、さまざまな形式の葬儀が行われるようになりました。

さらに、遺骨を海に散布する海洋散骨や、土に埋めて植林する樹木葬といった自然葬も登場しており、今後も新しいスタイルの葬儀が誕生してくることが考えられます。

選ばれやすい葬儀社になるためのコツ

葬儀は故人にとって人生最後の重要なイベントです。納得のいく形で送り出してあげるためには葬儀社選びが鍵を握っているわけですが、そもそもどのような葬儀社が選ばれているのでしょうか。ここではまず、依頼者側からの視点に立って、葬儀社選びのポイントを解説します。

費用の内訳が明確

優良な葬儀社を見極めるポイントの一つが費用の明確さです。一般的に葬儀費用には「○○一式」や「○○プラン」といったパッケージ料金が設定されている場合がほとんどです。しかしこれらは安く見えるよう工夫されており、必要な費用の総額であるとは限りません。

参列者の数によって金額が増える場合もありますし、グレードの低い祭壇や料理で金額が見積もられている場合などもあり、最初の見積書と請求書の金額が大きく変わってくることもあるのです。

このように実際の費用が見積もり金額をオーバーすることのないよう、事前に見積書の内訳を明示してくれることはもちろん、見積書に含まれていない項目についても詳しく説明してくれる葬儀社を選ぶことが大切です。

スタッフの対応が親切

初めて身内が亡くなったときには誰しも「何から始めればいいのか」と不安なものですが、いい葬儀社であれば施主の気持ちに寄り添いながらやるべきことを親切に教えてくれます。

葬儀についても故人や遺族の意向をきちんと聞いたうえでできるだけ希望に沿った提案をしてくれることはもちろん、料金内容や不明点、疑問点があればこちらが納得するまできちんと説明してくれるはずです。

一般的に葬儀社の利益は葬儀が豪華なほど大きくなりますが、優良な葬儀社であれば「家族葬にしたい」「式場でなく自宅で葬儀を行ないたい」といった低予算での希望にも丁寧に対応してくれるでしょう。

しかし、中には低予算の葬儀を希望しているからといって露骨に対応が冷たくなったり、強引にプランのグレードアップを勧めてきたりする葬儀社もあります。

誠実な葬儀社であればきちんと遺族の立場を尊重した提案をしてくれるはずですので、このような自社の利益を優先する葬儀社は避けた方が無難です。

葬儀社におすすめの集客方法7選

ここからは葬儀社の視点に戻り、葬儀社としての代表的な集客方法を紹介します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、必要に応じて複数の方法を組み合わせることも検討してみてください。

1. ホームページ

シニア世代であっても商品やサービスの購入・利用を決める前にインターネットで情報を集めるのが当たり前の時代で、葬儀社選びも同様です。ホームページの存在は自社のことを知ってもらう上で、なくてはならないものと言えるでしょう。

以下では、参考にしたい葬儀社のホームページ事例を3選紹介します。

参考にしたい葬儀社ホームぺージ3選

検索結果にきちんと自社ホームページが出てくること、会社情報やサービス内容、料金説明といった情報がきちんと記載されていることは、その会社の信頼性を示すことにもつながります。参考になる葬儀社のホームページを3つ紹介していますのでイメージを膨らませてみて下さい。

としまフューネス

引用元:としまフューネスホームページ(https://www.toshima-f.co.jp/

トップ画面に風景写真やお花で描かれたモナリザの顔など、一見すると葬儀社を感じさせない爽やかなホームページです。スクロールすると自社の紹介やプランと料金などがわかりやすく掲載されています。

また、実際の葬儀の写真がホームページに埋め込まれたInstagramで紹介されており、お客様が葬儀のイメージをしやすいように工夫がされています。

葬祭センター株式会社伸和社

引用元:葬祭センター株式会社伸和社ホームページ(http://shinwasha-kyoto.com/

トップページには大きな祭壇の写真があり、すぐ下には自社のサービスを紹介するYouTube動画が埋め込まれているのが特徴です。問い合わせフォームがバナーで貼り付けてあり、「お急ぎの方はこちら」や「問い合わせ」「見積もり請求」など、利用者から見てわかりやすい導線が整えられています。

株式会社ライフワークス

引用元:株式会社ライフワークスホームページ(https://www.life-works.co.jp/

キリスト教葬儀を専門に扱っている葬儀社というのが、ホームページをパッと見ただけでわかるようになっています。

また、白を基調としたホームページに紹介動画が埋め込まれているのも利用者の目を引きます。葬儀の流れや進行例を別ページでスタイリッシュに掲載するなど、写真や映像を駆使して、初めての方にもわかりやすいホームページに仕上げています。

以下の記事では葬儀社のホームページに載せるべき項目や作成時のポイントについて紹介しています。実際にホームページ作成を検討されている方はあわせてご覧ください。

2. SEO対策

ホームページを集客手段として機能させるためには、「見込み客がよく検索するキーワードを設定する」「葬儀に関する役立つ情報を発信する」といったSEO対策が不可欠です。

24時間365日いつでも情報を発信できるため、上手くいけばインターネットからの問い合わせを増やすことが可能です。無料でSEO対策を行う場合は以下の点に注目して行ってみましょう。

1.キーワード選定
2.量より質を重視した読みやすいコンテンツ
3.タイトルとディスクリプション
4.記事内タグの設定
5.画像と文字サイズの最適化
6.モバイルファースト
7.被リンクの獲得
8.サイテーションの獲得

以下の記事ではSEO対策を行うメリットやSEO対策に役立つツールがについて解説しています。初心者の方でもわかりやすく説明していますので、あわせてご覧下さい。

3. 事前相談会、イベント

葬儀は身内が亡くなったときに需要が発生するため、どうしても企業から個人に営業をかけることが難しい分野です。しかし、近年の終活ブームによって「人に迷惑をかけず自分らしい死を迎えたい」と考える人が多くなったことで、生前に自らの葬儀を準備する人も増えています。

そこで重要になるのが事前相談会やセミナーといったイベントです。このようなイベントではニーズの顕在化した見込み客にアプローチできるため、適切なサービスを提案できれば実際に葬儀が必要になった際に選んでもらえる可能性が高まります。顧客との信頼関係を築き、自社のことを深く理解してもらうためにも、イベントは有効な手段と言えるでしょう。

デメリットとしては、イベントに人を呼び込むためにホームページやSNS、広告などでの宣伝が欠かせないこと、継続的に開催しなければ効果が得られないことなどがあります。

4. ポスティング、チラシ

ポスティングや折り込みチラシは、まだニーズが顕在化しているわけではない潜在層へのアプローチに有効です。

「いざというときに備えて、よさそうな葬儀社を探しておこう」と思いつつ、何らかの行動を起こすまでには至っていない場合でも、チラシがポストに投函されていればそこから問い合わせてくる可能性があります。

ただし、何の特徴もないチラシを配布するだけではほかの多くのチラシに埋もれてしまう恐れがあります。「パンフレット形式にする」「葬儀のチェックリストを記載する」など、目を留めてもらうための工夫が欠かせません。

また、ターゲット層が多く住んでいる地域を調査してそこを重点的に配布したり、ターゲットの性別や年齢に合わせたデザインやキャッチコピーを考えたりするなど、マーケティング戦略に基づいた配布がチラシの集客効果を高める鍵となるでしょう。

5. リスティング広告

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などで検索した際、入力したキーワードと連動して表示される広告のことです。

検索画面の上部や下部といった目立つ位置に広告を掲載できる一方、ほかの検索結果と同じくテキスト形式で表示されるため、検索してきたユーザーを自然な流れでホームページに誘導することができます。費用は広告がクリックされるごとに発生するクリック課金制で、上限クリック単価を設定しておけば、予算をオーバーする心配もありません。

ただし、「葬儀 ○○(地域名)」といった検索ニーズの大きいキーワードの広告枠は、資金力のある大手企業が独占しているという難しい現状があります。対策としては「家族葬 ○○(地域名)」「一日葬 ○○(地域名)」など検索ボリュームの少ないキーワードを狙う方法があります。

こうしたキーワード選定は専門的な知識が必要になるため、Web広告の代理店に任せることも検討しましょう。

6. Googleマイビジネス

Googleマイビジネスとは、所在地の地図、店内外の写真、利用者のレビュー、訪問数の多い時間帯といった自社の店舗情報をGoogle検索やGoogleマップの検索結果に表示できるツールです。

例えば「品川 葬儀社」で検索すると、品川周辺でGoogleマイビジネスに登録している葬儀社のエリアマップと、住所や電話番号、営業時間などが記載された会社情報の一覧が以下のように表示されます。

画面上部に表示されるため、通常の表示方法と比べてユーザーの目につきやすくなり、問い合わせ件数の増加を狙うことができます。

Googleのアカウントをビジネスオーナーに設定しておけば、無料でGoogleマイビジネスに登録できるため、コストをかけずに集客施策を実行していけるメリットがあります。

一方、誰でも簡単に登録できることからライバルが多く、上位表示が難しい点がデメリットと言えるでしょう。

7. 葬儀社者紹介サイト

葬儀社紹介サイトとは、葬儀社とお客様を仲介してくれるサービスのことです。登録しておけばサイト内で自社が検索された際に表示されるだけでなく、自社の存在を知らないお客様にも認知してもらうことができます。

料金体系はサイトによって多少の違いがあるものの、広告掲載は無料にして成果報酬型としているケースが大半です。ほとんどのサイトでは一括見積もりや資料請求に対応しており、「地域の相場を把握したい」「複数の葬儀社を比較検討したい」という場合に便利です。

また、「いい葬儀」や「葬儀レビ」「安心葬儀」といった大手紹介サイトであれば検索順位で上位に表示されるため、自社でSEO対策に取り組まなくとも、訪問数の多いサイトの広告枠に掲載することで効率的に集客できるメリットがあります。

デメリットとしては、成果報酬として数万円の手数料が引かれるため、低価格での成約となった場合に葬儀社の粗利が少なくなる点が挙げられます。以下では葬儀社紹介サイトごとの特徴をを説明します。

いい葬儀

引用元:いい葬儀 掲載に関するホームぺージ(https://www.e-sogi.com/esogi_keisai/

いい葬儀は全国1,000社以上の優良葬儀社と提携しており、日本最大級の葬儀相談・依頼サイトです。完全成果報酬型のため初期費用や年会費は無料でWEB集客を行うことができます。また、年間相談実績は1万件を超えており、24時間365日葬儀の相談をしています。

くらべる葬儀

引用元:くらべる葬儀 提携に関するホームぺージ(https://sougi.minrevi.jp/teikei/)

くらべる葬儀は年間4700件以上の相談件数があり、サイトへの掲載は無料で紹介が発生したときのみの「完全成果型課金制度」になっています。

また、くらべる葬儀はユーザーが葬儀社を選ぶ際に気になる点や必要な情報を掲載しているため、利用価値の高いサイト設計になっています。

安心葬儀

引用:安心葬儀 掲載に関するホームぺージ(https://ansinsougi.jp/lp/interview01

安心葬儀はエリア別検索や葬儀社の詳細ページ、会社概要や事例に関するインタビュー記事などの充実したコンテンツを掲載しています。

また、葬儀社のインタビュー記事や写真は無料で掲載することができます。スマホやパソコン、タブレットといったデバイス表示に対応しているのも魅力の一つです。

葬儀社者が集客するとき注意すべき3つのポイント

最後に葬儀社者が集客をする上で気をつけるべきポイントについて解説します。

1. 集客を紹介や依頼に依存しない

まず葬儀社が失敗するもっとも大きな原因は、集客を仲介業者や顧客からの紹介、病院からの依頼に頼っているケースです。

このように紹介や依頼に依存している場合、より優れたサービスを低価格で提供する競合他社が近隣に出店してきた際、あっという間に顧客を奪われて取引が激減してしまうリスクがあります。

そのような事態を避けるためにも、ホームページや紹介サイトなどで集客を仕組み化し、「自然と問い合わせが寄せられる」という状態を整えておくことが大切です。

2. オリジナリティを追求する

また、近年は葬儀の小規模化や異業種からの参入増加により、低価格を売りにしてもライバル企業との間で差別化を図ることが難しくなっています。お客様にとって、葬儀社は「どこも同じに見える」というのが本音です。

こうした状況で、お客様に自社を選んでもらえるかどうかは、「いかに自社のオリジナリティを打ち出し、どれだけファンを作れるか」にかかってきます。

ホームページやチラシを作成する際に自社の実績やこだわりを明確にしておくことはもちろんですが、葬儀社選びの決定打となるのは最終的には人間力となる場合も多いため、働いているスタッフの様子がわかる写真や、どのような思いで働いているかを紹介するインタビューを掲載するのも効果的です。

3. サービス内容と金額の説明をしっかり行う

葬儀と一言にいっても、様々な内容が含まれるのではないでしょうか。葬儀社が提供するサービスとして主に以下の項目が挙げられます。

  • 仕出料理:通夜の際に提供される「通夜振舞い」や告別式後に提供される「精進落とし」
  • 返礼品:会葬者へお礼として渡す「会葬礼品」や「香典返し」
  • 花:祭壇を飾る「花祭壇」や故人に備える「供花」
  • 葬儀用品:棺桶、骨壷、線香、ドライアイス、布団など葬儀を執り行うために必要な備品
  • 貸衣装:喪服の貸し出しや着付け
  • 湯灌・納棺:遺体を入浴させ、洗浄させる「湯灌」棺に納める「納棺」
  • 霊柩運送 :遺体や親族を火葬場へ運ぶ
  • 人材派遣:葬儀の司会や駐車場の整理要員など

(参照元:公正取引委員会 葬儀の取引に関する実態調査報告書37p)

葬儀社はこれらサービス・金額の説明を誤解を生まないよう、顧客に説明する義務があります。実際、取引の説明不足により葬儀社と顧客の間にトラブルが起こり、優位的地位の濫用規制上の問題となり得るケースが報告されています。(参照元:公正取引委員会 葬儀の取引に関する実態調査報告書20p)

まとめ

葬儀の小規模化が進み収益確保が厳しさを増す中でも、葬儀社の集客を向上させる方法は存在します。特に現在では50〜60代のシニア層であってもインターネットで情報を収集する人が多いため、ホームページの運営や紹介サイトの利用は欠かせません。

また、Googleマイビジネスや紹介サイトなどは無料で手軽に利用できるため、ホームページ運営やチラシなどほかの集客策と組み合わせて実践してみることをおすすめします。

まずは集客力の高いホームページを作りたい、という場合は無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたメンバー FLUX siteflow編集部
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